2018年 01月 20日
多摩川台地の家(小林さん宅)に伺いました。 |
多摩川台地の家(小林さん宅・調布市)は2003年に竣工しているので、今年で15年目になります。新築当時スタッフとして担当した及川敦子さんの設計で2010年に玄関ホールを増築しましたが、そこを洋服や小物を扱うお店としてオープンしたというので、妻やスタッフと一緒に足を運びました。僕自身久しぶりの訪問です。
久しぶりの小林家は彼女の見立てによる家具や小物が置かれ、予算を削る為に建具無しとした所に自称ドアオタクの彼女が見つけて来たアンティークのドアが嵌められ、家は住い手の小林昭子さんそのものになっていました。この家は設計者である僕の想像をどんどん超えて進化しています。
小林さんは、僕が成城でクライアントが持っていた倉庫の2階の天井の高い空間を事務所にしていた時、土浦の浅野さんの家が大きく紹介された雑誌を携えて1人事務所に訪ねて来てくれました。あの時の事をよく覚えています。1500万円で家は作れますかと聞かれ、家の中で要らないものを見つけ出して切り落としていく事が必要になると思いますが、それが出来れば可能だと思いますが、とお話ししたら、それは全く問題ありません、と。恐らくそういう話になったはずです。現に不要なものを(トイレのドアも)切り落とし、でも床にはさわらを張り、壁は漆喰を塗り、天井は粗い杉を丁寧に張った、小振りだけれど手触り・足触りのいい家が今ここに存在しています。
小林さんは家が出来た後1年間に渡って、この家が出来るまでの顛末をLIVESと言う雑誌に寄せました。その文章力は見事で、僕も大いに楽しませて頂来ました。大切な宝物です。
by ito-kan
| 2018-01-20 00:50
| 多摩川台地の家