2018年 04月 24日
桑沢デザイン研究所の学生と西洋美術館に行きました |
今年から桑沢デザイン研究所の2年生の前期コースを担当することになり、授業のしょっぱな、これから本格的に建築を学ぶ学生を連れて上野の西洋美術館に見学に行きました。西洋美術館は日本における唯一のコルビュジェの設計で、シーンの展開のし方など、建築を学ぶ学生には必見だと思います。
久しぶりの西洋美術館でしたが、改めて本館では天井が高くなったりぐっと低くなったり明るくなったり暗くなったり、シーンが次々とドラマテッィクに展開していくコルビュジェ節にくらくらしました。そういう事を存分に楽しんでいた分、本館に展示されていたルネッサンス期の絵画はほとんど記憶に残っていません。一方、前川事務所によって後年増築された新館は建築の印象がほとんど皆無で、その分作品、特にモネの絵画の印象が強く残りました。本館と新館の設計姿勢には雲泥の差があり、まさに真逆です。
本館が建築空間をきちんと主張をしている様は、僕の大好きなグッゲンハイム美術館と良く似ています。空間体験の楽しさも美術館に足を運ぶ楽しさの重要な部分だと思います。展示される作品の為に建築が一歩引いてほとんど主張していなかったら結構つまらない美術館になるだろうなと思います。でも美術関係者はそうは言わないかもしれない。美術館ってどちらが良いのかな?これはなかなか難しい議論です。
それにしても、西洋美術館のコレクションはモネが充実しています。今回モネの部屋の中で1902年に描かれた「ヴェトゥイユ」が一番目を魅きました。柔らかな光に満ちた風景ですが、その画面にはあらゆる色が登場しています。素晴らしいです、モネさん。
by ito-kan
| 2018-04-24 19:01